研修名:行政説明:消費税が変わります
日時:令和元年6月12日
場所:兵庫県民会館 パルテホール
講師:木下 学 氏

内容:
 皆様ご承知の通り消費税率が10月1日から10%に引き上げられます。そしてそれに伴い軽減税率制度が導入されます。
 そもそも今回の改正前、現在の消費税法は介護業界に於いては消費税の取り扱いというのが他の業界に比べて難しいと感じております。それぞれの介護サービスが消費税の課税統一なのか非課税統一なのか。判定が難しいからです。
 これに10月1日から軽減税率が導入されて更に複雑になる。ご承知の方も多いと思いますが、10月1日からは出前や弁当の配達など、飲食料品の販売は8%になりますが、レストランや食堂での外食は10%になります。
 そして有料老人ホームでの食事の提供やサービス付き高齢者向住宅への食事の提供はケータリングに分類されております。ケータリングというのは原則10%ですが有料老人ホームやサービス付き高齢者向住宅等の食事の提供の内、入居者への1食640円、1日1,920円以下等の一定の条件の方は8%とされております。
 ここで既に税務署には色々なご質問が寄せられております。例えば先ほど、1食640円という基準を申し上げましたが、これは税抜き価格で640円なので税込み価格ではどうなるのか。例えば税込700円の食事の場合8%なのか10%なのか。1食税込700円の場合、消費税10%で考えて1.1で割り戻すのか、8%で考えて1.08で割り戻すかによって税抜き価格が変わってきます。答えは700円を8%、1.08で割り戻してもらって税抜き価格648円になり、640円以下とはなりません。従って税込み一食700円の食事は10%という事になります。軽減税率8%が適用される税抜き価格640円以下の食事とは、640円に1.08を掛けた税込価格690円以下の物が該当しています。
 又、別のご質問では「入居者に8%で提供している、640円以下の食事を、同じ食事を職員が食べた場合はどうなるのか」とか言う質問が寄せられていますが、この場合は10%になります。この様に軽減税率制度に伴い、実務上色んなケースがあり疑問も出てくると思います。各事業所でのサービスによっては消費税率が8%から10%になったり、それに伴い料金の変更や利用者様へのご説明、請求書をはじめ各種様式の改定、経理手続の変更など色々な事務が発生すると考えられます。
 補助金については税務署の所管でないので、ご不明な点がありましたらこの資料の1番下に記載してある「軽減税率対策補助金事務局」にお問合せ下さい。
 補助金についてちょっと付け加えさせて頂きますと、補助金はA型B型C型の3種類がありますが、B型の一部は補助金の申請をして交付決定が有ってから設備を購入する制度の補助金となっているものがあります。交付決定前に契約したり作業を着手したりすると補助金の対象にならない物があると聞いております。補助金の対象となるレジや設備や導入を検討されておりましたら、事前に補助金事務局のホームページをご確認頂いたり、お問合せする事をお勧めします。
 先程も申しました通り、まず消費税課税対象のサービスは消費税率が8%か10%なのか、の判定が必要です。そして10%になるサービスについては料金の改定、利用者様へのご説明、請求書をはじめ各種様式の改定、経理処理の梱包等色々御面倒をお掛けすると思いますがよろしくお願いします。