苦情・クレーム対策研修
2016年10月14日
平成28年10月14日(金)、(株)メンタル・パワー・サポート代表丸本敏久氏を講師に迎え、「苦情・クレーム対策研修」を開催しました。
現場でクレーム対応ができる「対応力」を上げていくためには、自分自身の言動を変えることが必要で、それが組織を変えることになります。最初(初期)の対応をしっかり行うことでクレームをなくすることができます。
接客・対応力が良かったらクレームになりません。隙があったら突かれることになります。
職場の人間関係がうまくいっている場合はいいのですが、悪いときは悪循環に陥り、方法を変えないからますます悪循環を起こします。同じクレームがあるのは、何かを変えていかないと悪循環になります。これを切り替えていかなければなりません。
カウンセリングでは、出来ない理由を聞くのではなく、出来る理由を質問します。このことが切り替えになっていきます。出来ない理由を見つけても出来る可能性はゼロです。「どうしたら出来るか」を1%でも考え出したら変わっていきます。クレーム対応も同じです。「私には出来ない」と思うと出来ませんが、「私に何が出来るのか」と気づくだけで出来るようになってきます。これが施設を変えるポイントになります。「気づき」が大事です。気づくことで、ものの見え方が変わります。
「5秒間で“赤色のもの”5つ見つける」というワークをしました。「赤色を探せ」と言われて探し始めること、これが気づきであり、人間の反応です。五感を働かせて気づくことができるのは、問題意識をもって反応することができるからです。「気づく・気づかない」の差は大きいことです。同じように、「難しい」を「そんなに難しくない」と意識を変えることで思考が変わり、いろんな発見ができます。
そして、お客様満足度を上げるためにはクレーム対応をしっかり行うことです。期待されているからクレームが起こるのです。クレームは期待の表れですが、8割~9割は声に出しません。隠れている苦情は多いはずです。苦情を放置すればクレームになります。苦情のうちに対応すれば大きな問題になりません。二度と起こらないようにするのが大事です。
クレーム対応ルールには(さ)(し)(す)(せ)(そ)があります。(さ)最善をつくす→初期対応、スピード重視、(し)知ったかぶりをしない→お客様のほうが良く知っていることが多い、(す)するな議論→反論せずにお客様の言い分を聞くことから、(せ)誠意をもって→心をこめた対応、「気分を害したこと」に対して詫び、「良い・悪い」の前にお客様にご不便・ご迷惑・不快な思いをさせたことに対して詫びる、(そ)即時、報告する→組織としての共有が重要で上下・横の共有、となります。
サービス業は、今日、満足させたから「良し」ではありません。明日は、今日を上回るサービスを求められます。施設・事業所も同じです。
顧客満足とは、「A+B=C」(A:あなたの態度、B:あなたの行動、C:お客様の体験)で、単に言葉で言えばいいというものではなく、態度・表情・声のトーンによって違い、対する人はそれを感じ取る力があります。おもてなし(ホスピタリティ)の基本は「安心安全」の状態ができていることです。心をこめた「おもてなし」はお客様のためにするもので、お客様も自分自身も喜べる行動・態度がポイントです。
「いかに気づけるか」はクレームに至らせない対応となり、気づけない限り行動に移せません。
気づくためには、意識することで、気づきのセンサーが必要です。利用者の変化に気づけば声かけできますが、気づかなかったら声をかけることができません。気づき→思考→行動→結果。気づくから考え、考えるから行動し、行動するから結果になります。
また、相手を観察する力が必要です。ちょっとした変化に気づけること、これを無意識から意識的に行うことです。観察力を高めることでクレームを減らせることができます。
コミュニケーション力はとても大事です。わかりやすく話すこと、相手を見て自分がどんなボールを投げればいいのか考えていくことがコミュニケーションの基本となります。メラビアンの法則では、印象に残るのはボディランゲージ(話し方、雰囲気など)です。
クレーム対応は、「悪い」と思っていることをどう生かすかということです。クレームは「宝の山」でもあります。「チャンス」です。気づくことが出来なかったことに気付くことができます。どのような状況でどのようなクレームが起こっていたのかということを記録に残してくと、傾向が出てきますので分析することができます。
まとめとして、「クレームは無いのが一番ですが、起こった場合は、その場で最善を尽くし、火が小さいうちに消す方法を考えておきます。そのためには、接客対応、お客様・ご利用者様がなぜ怒られているのか、怒るに至られたのか、という気持ちを図ることが大事です。自分たちが成長するためにクレームを生かし、誠心誠意、対応することが大事です。普段からクレームの種になるようなこと、安心安全に関わるようなことがあれば、常に最優先で改善していくことです。常に発見しようとする意識があれば、見落としていたことが追求でき、気づくための意識があれば変わっていきます。」と話され、「改めて、苦情やクレームへの対応について意識が高まった。」との受講者の方々の感想でした。