サービス提供事業者の接遇応対研修 ホスピタリティー・コーディネーター谷洋子氏を講師に招き、平成29年7月7日(基本編)、7月21日(レベルアップ編)に接遇応対研修を開催しました。

普段、何気なく行っていることを無意識の状況といい、この「無意識を意識に変えること」。意識した表情・行動・言葉を心がけること。大切なことを聴こうとすれば顔を見る。顔を見て聴こうとすれば頭に入る。だから納得する。全ての行動は顔に始まり顔に終わる。顔を見ることによって相手の言いたいことが理解できる。これがコミュニケーション。

いま、なぜ「接遇」なのか。全ての業界で「接客」から「接遇」へ、「サービス」から「ホスピタリティー」へ、「顧客満足」から「顧客感動」への時代になった。「あなたの対応だけでなく、私たち家族も施設も含めて全て」が「良かった」となるのが接遇である。大事なのは、「相手が望んでいることを努力しようとすること」。

サービスの種類は、技術的・精神的・犠牲的・環境・人的サービスがある。私たちはサービスでご利用料金をいただいており、どのように返していくのか。120%のサービスとなれば、ご利用者満足、ご利用者感動、「ありがとう」に繋がる。

人的サービスのキーワードは、「お客様・ご利用者・ご家族に好かれること」。好きな人から言われたことは聞くけども嫌いな人から言われても聞かない。すべては好き嫌いから。コミュニケーション力は好かれること。好かれるポイントとは、第一印象(表情→笑顔)が大事。第一印象が悪ければ、なかなか話が進まなくなる。「メラビアンの法則」によれば「人は見た目が9割」と言われる。視覚の印象55%、聴覚の印象38%である。相手は、自分が「おはようございます」と挨拶した1~10秒の間に好きか嫌いかを決めてしまう。それは無意識のうちにそうしている。これが第一印象である。だから「好き」と言わせる表情が大事。第一印象の改善は、①身だしなみ(品性)、②豊かな表情(明るさ)、③挨拶(資質)、④好感のもてる態度(知性)、⑤言葉遣い(教養)、そして⑥電話対応。

あいさつは、ただ言えば良いというものではない。ご利用者の方々はみんな認めてほしいとの思いをお持ちであるので、「その人だけに見せる明るい声と明るい顔」は伝わるもの。

「もてなすこと」とは「相手が望んでいること」を「望んでいる形」で「望んでいるタイミング」でさりげなく提供できること。「おもてなし」ができる意識改革と行動変容(形や行動を変えることで相手に好かれる)によって人的サービスの第一歩が踏み出せる。

事業所でのクレームで多い「人的サービス」は、①待たせる、②話を聞いてくれない、③返事がない、④無愛想、⑤対応が悪い(言い方・態度・表情)、である。これらはコミュニケーション不足がもたらすもの、相手と向き合っていない(自分しか見ていない)。目線を合わすこと(目の高さを合わせること)。

コミュニケーション対応は、①体と耳と14の心で対応する(傾聴)。②心の共感→同じ言葉を復唱する。「待ったわ」「お待ちになったんですね」→理解していただていると思っていただける。③迅速対応「これからはお待ちいただかなくてもいいように迅速に対応いたします。このたびはお待たせいたしましてたいへん申し訳ございませんでした。おっしゃっていただいたことで私たちは気づく事ができました。ありがとうございます。」、④感謝、⑤報告→何か改善してほしい、どうなったのかを伝える。

褒め方、叱り方のポイントは、①タイミング(叱る時は他の人がいないときに、褒める時は人がいるときに)、②叱る人の資格は「実力」「勇気(をもって叱ること)」「愛情(をもって褒めること)」、③「知る」「育てる」「方向性を示す」(この事業所をどうしたいのか、常に思っていること)の指導、④指示命令はマニュアルに基づくこと(他の者にも同じことが言えること、言っていることがころころ変わらないこと)、⑤「報告」「相談」「連絡」の重要性(共有できること)、⑥「言って聞かせる」「やってみせる」、⑦まずは「見本」となること

当たり前のことを当たり前にできるようになるためにいつか変わらなければならないこと。選ばれる事業所となるためには「しなければならないこと」。事業所全体でレベルアップしていく必要がある。いかに全員のレベルを引き上げていくかが重要。また、コミュニケーションとは、情報伝達、意思伝達(気持ちを伝えること)があること。言葉や伝える技術(言語コミュニケーション)と伝わるための態度(非言語コミュニケーション)、どんな顔をして伝えたかどうか(準言語コミュニケーション)の3点セットで、相手にどう伝えているか、相手が和むコミュニケーションができているかがポイント。この研修では、たくさんの実技を交えながら体で覚える貴重な研修でした。受講者の方々の接遇への姿勢が変わったような、清々しい表情で終えた研修となりました。