研修名:苦情・クレーム対策研修
テーマ:苦情・クレームへの適切な対応力を向上させる
日 時:平成30年8月10日
講 師:株式会社メンタル・パワー・サポート代表丸本敏久 氏
内 容:               
 現場でクレーム対応ができる「対応力」を上げていくためには、自分自身の言動を変えることが必要。それが組織を変えることになる。最初(初期)の対応をしっかり行うことでクレームをなくすることができる。クレームの質も変わってきている。そのことを認識する必要がある。「できることはできる、できないことはできない。」ことを明確に伝えて業務をすること。それが信頼と顧客満足につながる。できない理由を見つけてもできる可能性はゼロ。「どうしたらできるか」を1%でも考え出したら変わる。クレーム対応も同じ。「私にはできない」と思うとできないが、「私に何ができるのか」と気づくだけでできるようになる。これが施設を変えるポイント。「気づき」が大事。気づくことで、ものの見え方が変わる。五感を働かせて気づくことができるのは、問題意識をもって反応することができるから。「気づく・気づかない」の差は大きい。同じように、「難しい」を「そんなに難しくない」と意識を変えることで思考が変わり、いろんな発見ができる。「いかに気づけるか」はクレームに至らせない対応となり、気づけない限り行動に移せない。気づくためには、意識することで、気づきのセンサーが必要。利用者の変化に気づけば声かけできるが、気づかなかったら声をかけることができない。気づき→思考→行動→結果。気づくから考え、考えるから行動し、行動するから結果になる。
また、相手を観察する力が必要。ちょっとした変化に気づけること、これを無意識から意識的に行うこと。観察力を高めることでクレームを減らせることができる。そして、お客様満足度を上げるためにはクレーム対応をしっかり行うこと。期待されているからクレームが起こる。クレームは期待の表れだが、8割~9割は声に出さない。隠れている苦情は多いはず。苦情を放置すればクレームになる。苦情のうちに対応すれば大きな問題にならない。二度と起こらないようにするのが大事。
クレーム対応ルール(さ)(し)(す)(せ)(そ)。(さ)最善をつくす→初期対応、スピード重視、(し)知ったかぶりをしない→お客様のほうが良く知っていることが多い、(す)するな議論→反論せずにお客様の言い分を聞くことから、(せ)誠意をもって→心をこめた対応、「気分を害したこと」に対して詫び、「良い・悪い」の前にお客様にご不便・ご迷惑・不快な思いをさせたことに対して詫びる、(そ)即時、報告する→組織としての共有が重要で上下・横の共有となる。
サービス業は、今日、満足させたから「良し」ではない。明日は、今日を上回るサービスを求められる。施設・事業所も同じ。顧客満足とは、「A+B=C」(A:あなたの態度、B:あなたの行動、C:お客様の体験)で、単に言葉で言えばいいというものではなく、態度・表情・声のトーンによって違い、対する人はそれを感じ取る力がある。おもてなし(ホスピタリティ)の基本は「安心安全」の状態ができていること。心をこめた「おもてなし」はお客様のためにするもので、お客様も自分自身も喜べる行動・態度がポイント。まとめとして、「クレームは無いのが一番だが、起こった場合は、その場で最善を尽くし、火が小さいうちに消す方法を考えておく。そのためには、接客対応、お客様・ご利用者様がなぜ怒られているのか、怒るに至られたのか、という気持ちを図り、自分たちが成長するためにクレームを生かして誠心誠意、対応することが大事。普段からクレームの種になるようなこと、安心安全に関わるようなことがあれば、常に最優先で改善していくこと。常に発見しようとする意識があれば、見落としていたことが追求でき、気づくための意識があれば変わっていく。」と話されました。講師がこれまで経験されたクレーム対応などの話は臨場感があり、引き込まれた講義となりました。